A：「丸みのあるタイプと長方形のようなタイプ」がどれを示すのか漠然としていますが、以下のタイプではないかと想像して考えてみます。もし質問内容が異なるようであれば、再度ご質問ください。

わかりやすい例として、ノースのブームを見ながら考えてみましょう。丸みのあるタイプが写真下、長方形のようなタイプが写真上とするなら、これらはブームの長さによって、すなわちそのブームを使うセイルサイズによって違いが生じます。

上のタイプは「フロントワイド」と呼ばれるブームで、初心者にありがちな「セイルの引き込みの不十分さ」や「マストが立たない」などの、プレーニングを向上する上での乗り手の未熟さや不得意さをサポートしてくれる形状。未熟な技術をブームという道具がサポートしてセイリングをより快適に、よりスキルアップさせてくれるといえます。またウェイブシーンでは、ボトムターンにおける「セイルを前傾させて倒す」作業などをサポートしてくれるため、上級者にもまたメリットが大きい形状です。

ただしスピード系のセイリングに関しては、フロントワイドは時としてマストが立ちすぎるなどの「行きすぎた」デメリットを生じさせます。特にセイルが大きいほどこのデメリットは表面化して実感できるため、長いブームのカーブは極端なフロントワイドの形状でない方が使い勝手が良くなります。すなわち、各社その度合いに違いはあれど、長いブームになるほど下のような丸みを帯びたカーブを、短いほど上のようなフロントワイドなカーブを描くということです。

初心者の場合、どちらを選べば良いというのは特別にないと思います。手持ちのセイルサイズに合致する長さのブームを選べば、必然的にそれに必要なブームカーブのものになります。ただしメーカーによっては長いブームも極端なフロントワイドカーブを描くモデルもあります。そのような、他と比較して極端と思われる形状のものは選ばない方が無難と言えるでしょう。