ボードの劣化

QH.Mさんからの質問

バーレーヘッズの板を約6年、年間50回ほど波乗りとジャンプで酷使してきました。お気に入りだったのですが古くなり乗り換えを考えていた先日、新古で全く同じ年式の同じ板を入手することができて一安心だったのですが、前の板と比べると剛性感や波からの反発が全く感じられず驚きました。見た目的には特に破損など無く、なぜそれほどの違いを感じるのか不思議です。破損が無くても経年によるカーボン素材の劣化などが起因しているのでしょうか。

A年間50回のウェイブを楽しむ質問者は、想像するに板のフィーリングなど道具に関する繊細な部分までも感じ取れる領域にいると思われます。ならば質問のような、言うなれば「違和感」を感じるのは間違いのない事実なのでしょう。その前提に立って話を進めてみたいと思います。

まず最初に考慮すべきは「それが中古であった場合」。ウインドは板もセイルもそれが「道具」である以上、前任者の「癖」が染み付きます。全く同じ道具であっても、自分しか使わない道具と、他人が使った道具とでは、なんと無く違和感が生じる。それは車でも同じです。全く同じ車を購入してもそれが中古である場合、どこと無く違和感があるものです。しかしこの違和感は、少しの使用によって解消される範囲であるのが大多数。質問者の場合は購入の板が新古であり前任者の使用があったとしてもごく少ないのだろうとのこと、また違和感が相応に大きく感じられるようなので、これには合致しなさそうに思えます。

素材の劣化があると仮定した場合、多分デッキ面やボトム面に剥離が見られるでしょう。それが無いとするなら、あとは芯材である発泡スチロールに亀裂があるなどですが、想像できる質問者のレベルならば、板が全体的に(どこと無く歪んで見えるとかの違和感として)一見してその可能性が見て取れると思います。しかしそれが見て取れないようなので、素材の劣化という懸念は無いと判断できそうです。

ならばそれほどの違いを感じる要因は何なのか。そこには2つの原因が考えられると思います。

まず一つはバーレーヘッズというメーカーのこと。バーレーは30年の昔、世界に誇る日本のブランドでした。しかし、特にここ10年強の年月は残念ながらその限りではありません。例えば世界レベルのスターボードやJPの板は同じ年式の同じモデル、同じサイズであれば、全く同じものが世界中に供給されますが、そのレベルでは無いブランドの場合、1本ごとの板に出来不出来があるだろうことに想像が及ぶのは事実です。

もう一つ、デッキパッドのこと。同じ板でもデッキパッドが違うとフィーリングが異なります。硬いデッキパッドならば板からダイレクトに感覚が伝わるところが、柔かいデッキパッドだとワンテンポ遅れて伝わる感覚。どちらが良いということでは無いのですが、もしデッキパッドが前の板と異なるならば、その可能性もあります。

上記2つの項目をして、それでも質問者が新しい板への違和感が納得できないとするなら、あとは今の板に「乗り慣れる」しかありません。すでに購入してしまっているのだから(あらためて違う板を購入しようとの意欲や資金が難しいなら)現状を受け入れて「乗り慣れる」。納得できない部分はあるでしょうが、解決策はそれしか無いでしょう。