A:今回の質問、2回に分けて回答させていただきたいと思います。まずはその1回目、古い板の耐用限度の見極めについて。
板の劣化は、単純にその古さでは測れません。雨風、直射日光にさらされ続けた板と、風通しの良い日陰や屋内で保管された板とでは劣化に大きな差があるのは当然だし、さらには使用状況や破損状況など、様々な要因が密接に且つ複雑に絡み合うことで板は耐用限度を迎えます、なので購入したばかりの板でも折れることはあるし、20年乗り続けても(性能的、デザイン的な問題は別として)現役バリバリの板もあります。
そうした複雑な要因の元に迎える板の劣化を判断するもっともわかりやすいのは「剥離」。剥離とは、芯材である発泡スチロールと、シェル=外皮(カーボンなどのファイバーと硬質ウレタン材、もしくは薄くスライスされた木材を挟んで、さらにカーボンなどのファイバー材でサンドイッチされた3層構造の薄い外皮)が「剥がれて」、「コブ」のようにプックラと膨らんだ状態のこと。これは、足元やジョイント周りなど、ダメージを受けやすいデッキ面で起こることが多い現象です。
剥離に至る主因は「浸水」です。板が割れているのに気づかずに使い続けて浸水すると、それが芯材発泡スチロールと外皮シェル材との間に染み込み、本来強烈に接着されているはずの芯材と外皮が剥がれる。一度そうなってしまうと、あとは使うほどに剥離が広がって強度が失われます。そうして、いつ大きく壊れても不思議でない状況になる。特にウェイブでは剥離に起因して、ジャンプの着水で真っ二つに折れるさえあります。
長年使い続けていることで不安はあると思いますが、質問者の板に剥離が無いのであれば、まだ耐用年数の限界に達していない証明と言えるでしょう。しかし、もしデッキ面に剥離が見られるようなら、いつ耐用限界を迎えてもおかしく無いので、その覚悟と注意が必要。さらにもしボトム面に剥離が見られたとしたら、それは浸水がデッキ面の剥離を超えて全身に及んでいると想定されるので、その板は末期状態にあると覚悟すべきだと判断できます。
剥離が見られないとしたなら、高度2〜3メートル程度のジャンプであれば何らの心配もないでしょう。ましてや荒れた海面でちょっと飛ぶくらいなら心配のカケラも無いので安心して大丈夫です。
古い板であっても今もそうして健在である続けてくれるのは、使用後にエアバルブを都度緩めたり、屋内で保管したりと、質問者が板を愛情深く取り扱っているからだからこそなのだろうと思います。今後も同様に愛情持って扱い続けたなら、あと3年、5年と長寿で質問者の楽しみに答え続けてくれる可能性は大いにあると思います。 |