ウェットスーツのオーダー

QT.Sさんからの質問

ウェットスーツのフルオーダーについて。運動性を考えて実寸よりも大きめにした方が良い部位などありますか?柴崎さんはオーダー時にどのような点に気をつけているのでしょうか?また素材はどのようなものがお勧めでしょうか?

Aまず素材について。質問者のゲレンデが琵琶湖となっていたので、選ぶべきは一番保温性のある起毛素材がベストでしょう。高価ではありますが、低価格素材と比較してその暖かさは比べものになりません。さらにインナー(内着)として起毛素材のものを着用すれば保温性は倍増します。ただし起毛素材の場合、体質によっては「じんましん」のような症状が出る場合があります。かくいう私も時々ではあるもののそうした症状に見まわれますが、これは実際に使用してみないとわからないので何とも言えませんね。ちなみに私はじんましんよりも暖かさを選択して、かゆさを我慢しています。

フルオーダーでの寸法は、実寸を重視するのが良いと思います。特にドライスーツの場合は、デザイン上運動性を加味して作られるので、ヘタに実寸より大きめにすると部分的にダブダブになって水の侵入が拡大する可能性が高いです。ただし、袖の長さと足の長さだけは少し短め(1〜1.5cmくらい)しておいた方が良いかもしれません。実際に私もそうしてオーダーしているのですが、現在のウェット生地は伸縮性に優れるため、沈によってウェット内に浸水すると、生地がグワッと伸びて袖と足首が弛んでしまう場合があるから。袖口と足首でウェットが弛むと、そこで排水が阻害されて水が溜まった状態になってしまうからです。これはメーカーのデザインによって異なると思うので一概に全てがそうなるとは言えませんが、少し短めにしておいても使用に支障はないので、オーダー上のお勧め項目として記しておきます。

あとは首、袖口、足首を「切りっぱなし」でオーダーすることもあります。通常そうした部位は折り返して縫ってあるのですが、この折り返し部が擦れて行動が阻害されることがあるので、折り返さずに切りっぱなし(縫い目無し)の状態でオーダーするのです。ただしこれもメーカーによっては最初から切りっぱなしの場合もあり、また、切りっぱなしは折り返しよりも破損しやすく耐用年数が短くなるのが一般的なので、そのあたりは十分に考慮してください。