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Q:N.Kさんからの質問 ミストラルのVISIONがモデルチェンジしてSuper VISIONになりました。例えば130に関してはボードサイズ、重量、素材、値段が全て変更されています。ウインドの道具はこうして発売開始後たった1年で変更されることが多いですが、なぜそうしなければならないのでしょうか?せっかく購入しても、すぐに型遅れになってしまうのが少し疑問です。 |
A:ボードの進化はとどまるところを知りません。一時期、進化に停滞が見えても、すぐ次の年にはまた著しい進化を見せます。特に全長が短く、横幅が広いワイドボディーコンセプトを持つアップウインドレーシングボード、フリーライドボード、フリースタイルボードなどは、ここ数年、全長と横幅の比率という点でさまざまな変更がなされています。 ご質問のミストラルVISIONを見ると、昨年モデルが全長273、最大幅65、ボリューム130リッターであるのに対して今年モデルは全長270、最大幅66、ボリューム131リッターと、短く幅広くなっているのがわかります。たしかにその差は小さいと思えますが、こうした小さな数値の中にも新しいコンセプトが充満していると言えるのです。それは単にモデルを新しくするための小手先のことではなく、より乗りやすく、より高性能を目指した結果と見るべきです。 たしかに昨年購入したのに、今年にはもう新しいモデルが発表されるというのは、購入した人から見れば「ちょっと早急すぎ」と思えるかもしれません。しかしこれから購入しようとしている人にとっては、喜ばしいことだと言えるでしょう。 プロダクションボードは「型」から作り出します。この「型」にはグラスファイバー型や金型などがあり、それぞれ「型」代が異なるので償却期間に違いがありますが、おおむね1つの型が数百本のプロダクションボードを生み出したところで償却となります。すなわち1つの型から数百本を作り出したら、そのモデル継続ならばまた新しい型を作らなければならなくなります。ここに、同モデル継続かニューモデルへ変更か、という選択が発生します。もちろん今までのモデルが非の打ち所がなく、非常に人気モデルであれば継続されるでしょう。しかし新しいコンセプトが生まれて、より良いものが作れるのならばメーカーはそちらを選ぶというのが常です。付け加えるならば、あまり人気が出ないでなかなか「型」代が償却できなければ、もう少しモデル継続するということもあるでしょうから、それを考えればミストラルの場合は、たった1年で全ての型代が償却できるだけユーザーから評価され人気があった、とも解釈できると思います。 値段に関しては、例であるミストラルを見ても、昨年と今年でおよそ20.000円の差があります。これは素直に企業努力と捕らえてよいのではないでしょうか。またそれ以外にも、メーカーによっては制作工場を変えた事による価格差がある場合もあります。たとえばヨーロッパで制作するよりも、アジア域で制作した方が価格が抑えられると考えるのは自然です。それで出来上がりに問題が生じたらどうしようもありませんが、同じ技術ならばそうしたコストを考えるのは企業として当たり前の事でしょう。ちなみに現在、人気のあるボード制作工場はタイにある「コブラ」の工場で、多くのボードメーカーがここでボードを作っています。ようするにその工場では、こっちではこのボードが、あっちでは違うブランドのボードが肩を並べて作られているということです。 最後に、質問者はBICのTECHNO273とVISION130の選択で悩んでいるということですが、これはどちらも名艇です。違いは、VISIONの方がよりオールマイティーで、TECHNOの方が少しスラロームテイストが強いということでしょう。なのでスピードにちょっと魅力を感じるならばTECHNOを、スピードよりもターン性能に魅力を感じるならばVISIONを選ぶのが良いと思います。ただし、前記したようにどちらも魅力的なボードなので、どちらを選んでも不満は感じないはずです。個人的にどちらを選ぶか?と聞かれても、この選択には非常に悩んでしまいます。個人的には、どちらも好きなもので・・・。 |
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